J000 世田谷 ツバキ (14/135)
勝ち取れ! 目立ちたかったら! 誇りたかったら! 誉められたかったら!
「めちゃくちゃ気持ちいいぞ! 誉められるのは! ハハッ あー興奮してきた!」
ネクタイを解き、僕はそれを窓へ投げた。
今、この空間を制するのは僕なんだ!
隣に座る台東フジコ、シンノスケとかいう小僧に惚れているメガネをかけたこの魔女みたいな女も!
車を運転しているチビで巨乳でモチ肌で目つきの悪い神経質そうな女、杉並ルシエも!
この車もティッシュも空気も酸素もみんな、みんな僕のもの!
パワーウィンドウを開けると、心地のいい風が僕の前髪を揺らした。
「……何を言ってるんだ、この男はって思っているんでしょう?」
「……いいえ。すこぶる面白いわ」
台東フジコ、この女はやはりいい。僕のお気に入りだ。
「とにかく! SCMがもたらすすべての必然性は絶対的に必要だ! この日本人に! それを犬猫イルカの調教に!? 馬鹿げてる! 無駄だ! もったいない! 僕は人が使ったイヤホンの臭いを嗅ぐのが好きです!」
」
「私も同感だわ」
「ええ! 私利私欲がなんだ! 自己の幸福を求めて何が悪い! それが人間だ!」