J000 世田谷 ツバキ (13/135)

僕は息を吸い込んだ。


「僕は一人っ子でした! 両親から何不自由なく育てられ、兄弟という敵はいなかった! 私立の中高を経て大学に進学し、編入後卒業した! 恋もしたしロックマンが好きだった! だが心には世の中への疑問に満ちていた!」


憂いと虚無だけが僕という器を満たしていた! ただ静かに!


「クソガキから先生先生と言われるなか、ゆっくりと、それは僕の心を空白で満たした! 僕は器用だ! シナプスとニューロンの繋がりが多分きっと人よりも早い! だから周囲のすべてがのろまで不器用に見えた! なぜこうしない!? こっちのほうがいいだろ!? そして心のそれを言うと、ちょっと変わってるんだねと言われ、耳を傾けてくれない! はあ、ああ! なら、僕はこの世に必要なのか!? お前の話を聞いた時間を返してくれ! 結局自分が一番正しいと思っているんだろう!? ならばアウトプットするな! 僕の言葉をインプットしろ! いいか!? まずは聞け、人の話を! そして動け! だから僕の話を聞けよ! 僕を見ろ! 僕を見ろ! 僕の言うとおりにしろよ! なんでお前らはそんなに愚かなんだ! 周りの皆が馬鹿に感じた!」


叶うなら隕石でも落ちろ! 校舎が爆ぜるヴィジョンを何度も、いや毎日そう思っていた!


「素晴らしいわ」


「はあ、んん。今の話のどこが良かった!? いいところを言ってくれフジコ!」


僕を誉めろ!


彼女は微笑み、唇の下にあるホクロを吊り上げた。


「……ロックマンが好きっていったところ」


「結構!」