J000 世田谷 ツバキ (8/135)
2人の頬に貼ったSCMから、その音が鳴った。
「今のは……勝負開始の合図!? 何をした!?」
わんわん、わんわん、犬は鳴く。
「今、自分で答えを言ったじゃないですか。強制的に勝負が開始されたんですよ、痛ッ」
僕の足に痛みが走った直後、中央アタルの腕を台東フジコが踏みつけた。
「中央アタルを舐めちゃだめ。早く奴隷にして」
痛みの直後に聞く台東フジコの声に、イラつきを感じる。
これが終わったら、僕に対する言葉遣いを改めてもらおうか。
「これがJ-SCMの力です。いいですか? 次、僕が手を叩いたらお馴染みの〝あの音〟が鳴ります」
「J-SCM……あんた、SCMはつけてなかったはずだ」
台東フジコがチュッと、中央アタルへ唇を鳴らした。
「フジコさんはつけています。ね?」
中央の言葉に構わず、僕はパンッと手を叩いた。
すると2人の頬から『カチッ、カチカチ』という音が鳴った。
「う、そだ、ぶろっ」
「その、身に覚えのある感覚は、本物でしょう」
「えす、しいえむぅ、そのものじゃない、何か別に、うおっ」