0022 江東 キヨ (33/34)

まずいことに、マリヤにはメモのコピーを渡していた。


SCM所有者の情報のほとんどを、最も知ったらいけない奴が知ってしまったんだ。


おまけに、おれとゼロの秘密もマリヤは知っている。


1つの身体で、2つのSCMを使っているおれたちの秘密がバレちまったんだ。


学生証の写真に映っている港タキオは、平凡な男だった。


こいつはリュウオウやフジコ、ゼンイチたちとは違う。


頭がいいわけでも、心がタフなわけでも、格闘ができるわけでもない、凡人。


サイフのなかには、キャバクラの名刺も入っていた。


それは写真つきの、ジュリアの名刺だったんだ。


彼女の顔の部分には、何度も噛んだ跡があった。



「でも安心して欲しい」



携帯電話って、本当に便利なんだな。ビデオカメラの役割も果たすんだ。



「ゼロ、もしもこのメッセージを見てくれてるなら、きっとその頃には……」



駅の便所で、おれは最後のメッセージを吹き込み、今までしたすべての告白の録画を止めた。


カメラに港タキオの免許証を向け、奴の身元も記録した。