0022 江東 キヨ (27/34)
「ごめんなさいごめんなさい!だって火が!火だ!だってママが!ママ!ママ!ママ!」
目の前で発狂するゼロ。
このままだとこの子はオカシクなる。
死に直面して全てを思い返した。
おれは、自分が男だと思って産まれただけで、父親が殺人を犯しただけで、どれだけ苦しんだ。
心にどれだけの重圧を感じ、まともでいられなくなるのか。
ゼロも、そうなるのか。
償わせてくれ。
焼けていく脳が最後の願いを呟いた。
神でも何でもいい。
この子を守ってくれとは言わない。
おれが自分で守るから。
神でも何でもいい。
どうかいるなら、この子の中に。
おれをいさせてください。
「♪黄金の表階段に座っているのは皇帝、皇太子、王様、王子、靴屋に洋服屋。お前は誰になる?」
炎に包まれるなか、おれは歌っていた。