0022 江東 キヨ (25/34)

誰かが鍵、いや、何かツッカエを置いたんだ。


ゼロは、ゼロはどこだ。


その矢先、ベランダにゼロの姿を見た。


窓の先のあいつは、苦しむ俺たちを見て。


笑ったんだ。


ゼロだ。ゼロがおれたちを閉じ込め、火を点けたんだ。


ゼロは幼くして、シンノスケに対し、コンプレックスを抱いていた。


似てなかったんだ、2人の顔はちっとも。


シンノスケはおれの胸で暴れた。


「熱い!やだよ!逃げなきゃ!」


「大丈夫!大丈夫だから!」


「何でだよ!何でそんなことが言えるんだよ!」


激昂したシンノスケに、おれを感じた。


「こら!待て!シンノスケ!」


シンノスケはおれの下から離れ、窓の枠に足をかけた。


「シンノスケ!よせ!」


そして、窓から飛び降りた。


けどここは2階。直後にはそれでいい、外に逃げればなんとかなるとよぎった。


次の瞬間、燃え盛る火炎で、天井が爆ぜた。