0006 豊島 アヤカ (15/64)
「ねえ これからは楽しそうにして 白けるから」
あたし何言ってんだろう。
「は はい」
あたしの後悔の直後、セイヤは勢いよくあたしに顔を合わせ、怯えたように返事を言った。
これじゃあ、あたし、お金を払ってるからと、ホストにあれこれ強要する痛客じゃない。
でも、あたしはセイヤに1200万以上使ったんだった。
いいよね。これくらい。
「うん ごめん 言い過ぎた」
罪悪感から謝ると、セイヤは少し安心した表情になった。
こんなにセイヤの色んな表情を見るのは、店以外では初めて。うれしかった。
気を取り直して、あたしとセイヤが駅に向かい、繁華街を歩いていると
『 キュイ───ン 』
口の中のSCMが鳴った。
セイヤを見ると、セイヤも驚いた顔であたしを見てる。
「今」
「ああ 鳴った」
ネオン輝く街の中、歩く人は無数だけど、あたしとセイヤは、同様の緊張感に包まれる。
都会の中で、あたし達2人だけが共有する緊張感。
やだ、この状況、なんかイイ。
映画みたい。
あたしが、そんな妄想をしていると
『 キュイ───ン 』
SCMがまた鳴った。