0022 江東 キヨ (21/34)

顔の作りこそ似ていたけれど、2人の性格はちっとも似てなかった。


一日の子育て戦争が終わり「はい、寝ろー」と布団に押し込めても、2匹の怪獣の目はパッチリと開き、眠る気配は大抵なかった。


すると、おれの母ちゃん、ゼロとシンノスケにとってのばあばは、2人が眠る前にある歌を聞かせるようになった。


指で人を作り、何人もの人が階段を登る様子を表し、ミュージカル調の人形遊びを見せながら。


「♪黄金の表階段に座っているのは皇帝、皇太子、王様、王子、靴屋に洋服屋。お前は誰になる?」


お前は誰になる?そう言いながら、人差し指で表した手が子供たちを指すと、彼らはくすくすと笑い、アンコールをねだった。


子供たちよりも先に、おれが眠くなった。そういえば、おれもこの歌で育ったんだ。


美容師時代もよく口ずさみ、後輩のマリヤってキモイ子に、何て歌か聴かれたっけ。


ロシアのリュヂューイっていう遊び歌。


おれもやがて、それを真似して、眠っていく子供達の前で歌うのだけれど、続きの歌は少し恐ろしく、ばあばもおれも子供の前で続きの歌詞は歌わなかった。


2人のおむつが取れかけた、それは夏の頃だった。


ばあばが死んだ。


脳溢血でポックリだったよ。