0022 江東 キヨ (15/34)
それから半年間くらいかな。お決まりのコースはホテルで食事をして、そのまま泊まる。
やがて気付いたんだ。
事が終わり、おれのアソコを拭くとき、彼はケツからじゃなく、ヘソ側から拭くんだ。そこで感じた。
この男に、娘がいるってさ。
結局、墨田には妻がいると分かったのを機に、おれたちは破局したんだ。
子供はいないと、あいつは言っていたけど、真偽はどうでもいい。
奥さんには悪いと思ったけど、だからこそ結果的におれは身を引いた。
別に彼を責めやしなかった。悪いのはおれとタイミングさ。
後悔はしない程の、いい男だったよ。
みかんの皮を一生懸命剥く時と、笑顔と寝顔がかわいかった。
おれがこんな性格で、結婚願望も無かったのもある。
それに遅かれ早かれ、プラスとプラスの磁石みたいに、性格が反発し合っただろうし。
彼と別れても、どこか諦めに似た、そんな冷め切った思いしかなかった。