0022 江東 キヨ (12/34)

「本質は〝共有〟さ。精神状態や思考を汲み取り、それを共有させたい」


「で、悲しいとき、ロボットとかに面倒みてもらうのか?」


助教授だか助手席だか知らないけど、要するに自分が悲しいときや嬉しいときに、何も言わずに周りが察してくれちゃう研究でしょ。


「それも1つの目的だね。応用すれば部屋の照明から車の運転まで、脳波のみで行うことができる。ファミコンなんかもできるかもね」


だが僕の目標はそこじゃない、と彼は続けた。


「機械には人の気持ちは分からない。そして人間同士には言葉がある、それでも人は人に言えない慟哭や心の虚しさを抱えている」


心臓を打ち抜かれたような気分だったよ。


人が人に言えない慟哭、虚しさ。


おれが20年以上抱いてきた、ズバリを墨田は言ってきたんだ。


「……まあ、そりゃそうだ」


「精神状態を共有できれば、それは軽減される。だが機械にそれはできない。僕はぬくもりに重きを置きたい」


「どうやってさ?」


「動物とのコミュニケーションだよ」