0022 江東 キヨ (11/34)

「例えば脳磁波……脳から頭皮へ出る、極めて微小な電位がある」


「は?うん」


突然、彼は難しい言葉を並べ、訳の分からない説明を始めた。


「それを現代の科学でトレースし、人間の意志、思考、精神状態を汲み取り、他人同士で共有することは可能だと思うかい?」


「あのさ、おれに分かる訳ないだろ」


「正解だ。君は天才だよ」


彼はニッコリと微笑んだ。


「え?バカにしてんのか?」


「違う違う。答えは『分からない』なんだよ。ポジトロンCT(陽電子放射断層撮影装置)、通称PETと呼ばれる巨額で巨大な装置を始め、脳のご機嫌を伺う方法はあるが、それによって分かるのは今のところ、脳が起きてるか・寝ているか、そして〝てんかん〟などの病気くらいさ」


墨田は「もちろん、近い将来にもっと詳しく判明するかもね」と付け加えた。


「えっとさ、墨田さんはそういう〝人が何を考えてるか〟が知りたいの?」


んなもん、喋ればいいじゃんと思う。