0022 江東 キヨ (3/34)

今からする話は支離滅裂、きっとあんたにとって、何も得るものはない。


1つ小話が増えると思えばいい。いや、そんな価値もないか。


人には人それぞれ、他人には分からない心の慟哭を抱えている。大きいか少しかはあるけどさ。


日記を親に読まれたなんて、他人にはどうでもいい事だろう?


けど読まれた、当の本人には大問題で「世界が滅べばいい」とさえ思う恥を感じる。


生ける人の視野は一冊の本より狭い事もある。


おれは男に産まれたかった。


性同一性障害。そんな言葉が世の中で一般化される前の話さ。


暗い話をするよ。いいかい?


扉は開いているよ。鍵は掛かって無い。自由に出入りすればいいさ。


世の中ってのは時として激情や躍動に溢れているが、日本っていう国はおれにとって、どうも静かで残酷だった。


ほら、もう夕暮れだ。外は寒いから、もうじき空が暗くなる。


子供同士が遊んでいるよ。


道路にチョークで落書きをしているね。


その内1人の子の母親が、無表情で近付き、我が子の手を引っ張った。


「帰るわよ」と母親は言い、子供は「まだ遊びたい」と言った。