0021 千代田 マリヤ (83/85)

たしか、1度目のアラームは30メートル。


ぼくはすぐにSCMを外し、返却ポストにDVDを投げ込んで家に帰った。


不安になったぼくは、布団に潜り込み、毛布のぬくもりで震えを隠した。


まずかったかな。あれって所有者が近くにいるってことでしょ?


けど30メートルなら、多分大丈夫だよね?


ぼくは布団の中で、必死に記憶を手繰り寄せ、レンタル屋周辺のロケーションを思い出していた。


駅前で、本屋やカフェの入った面長いビルの一角にあって、夜でもたくさんの人がいた。


ぼく1人を特定するなんて、不可能でしょ。もうSCMをつけなければ、大丈夫だよね、そうだよね。


その夜も、次の日の夜も、異変はなかった。


そんな出来事も忘れかけた、3日後の夜。


ぼくは仕事を終えて、自分へのご褒美で、またヴァニラとビールを楽しんでいた。


録画した海外ドラマを観ていたんだ。


そしたら、チャイムが鳴った。


ビックリして警戒したけど、魚眼レンズの先にいたのは2人組みの警官だった。


「なんでしょうか?」