0021 千代田 マリヤ (75/85)
男の姿をした母親の訴え。しかも全ては茶番。
シンノスケくんはSCMを睨んだまま、数秒間黙っていた。
「実は俺も1つ……持ってます」
「は?」「え?」
シンノスケは意外な言葉とともに、ポケットからSCMを取り出した。
卓に置かれたシンノスケのSCMは袋に包まれていた。
「え?これって……」
そして、袋の中の月型は、粉々に壊れていた。
「壊れてる……」
「はい」
金具はへしゃげて、チップやパーツの接合部分が割れていた。明らかに壊れてる。
「どうしたんだ?これ ていうか どこで手に入れたんだ?」
シンノスケはさっきまでのテンションの高さから打って変わり、下をうつむき、真剣な顔をしていた。
「俺にもいろいろあったんすけど……少し前にSCMを7つ持ってるっていう人に会ったんすよ」
「7つも?」
シンノスケくんの話によると、その7つの所有者はネットで6人の参加者を募り、都内のカラオケ店でSCMの勝負を始めたらしい。
勝負の内容は『牛乳を吹いたら負け』と、いうものだった。