0021 千代田 マリヤ (64/85)
弾丸の様な剣幕で詰め寄って来る。けどここで言うこと聞いたら苦労が水の泡。交渉するなら今。
「約束 ゼロくんを任せるって言う」
そう言った瞬間、彼はぼくの腕を掴み、引き寄せた。
一瞬で背中に手が回ったかと思うと、ぼくの唇に暖かい感触が。
強引なキス。
「……続きは全てが終わったらな」
「……はい」
やっぱいい。この頭の中が沸騰する感じ、真っ白なキャンバスが更に白くなっていく感じ。唇が離れるとキヨゼロの言葉で頭が埋まった。
きっとゼロくとぼくの相性って最高なの。ぼくが30年以上守ってきた大切な処女を受け取るのは彼なの。
「電話しろ」
「うん……分かった」
このドックンとした感情をもっとする為なら、ぼくは何だってする。出来る。
こうしてぼくはシンノスケくんに電話した。彼は起きてて今から来てくれるって。
そう言えばゲッコウからも連絡があった。
『マリア様の本名は何ですか?』っていうメール。意味分かんない。
確かにぼくの本名はマリアじゃない。