0021 千代田 マリヤ (61/85)
「ヤリながら勝負しようとしてたんだよ その旦那 しかも自分の奥さんに金まで払って!」
「どういうこと?」
疑問は膨らむけど、ぼくはすでにその話に夢中だった。思わずぼくも笑っていた。
「SCMを嘘発見器って嘘付いて 奥さんに着けさせたんだよ そんでもってヤッてる最中に質問しようとしたらーしーぜ?」
嘘発見器?
「実際そんな機能あるの?」
「まあ あながち間違っちゃいない SCMにおける勝敗の定義は敗北感だ」
勝ったと思ったら勝ち。負けたと思ったら負け。キヨゼロはそう続けた。
「人の精神を唾液だかで判別するって言うから それに沿った勝負を持ってこれれば 嘘発見器の効果もあるかもな」
「ふーん」と興味なさそうに頷きながら、ぼくはキヨゼロの言葉を心で繰り返していた。
嘘発見器。そんな面白い機能もあるんだ。
「とにかく そんな2人からSCMを奪ってきたんでしょ?どうなったの?」
夫にそってSCMは最後の頼みの綱だった。自分の状況に革命を起こす、最後の希望。けれどキヨゼロがそれを奪ったんだ。
妻も妻だけど、夫もどこか異常に感じた。どいつもこいつも、普段は普通を装ってても、テンパったり状況によっては平気で変態になるいい例だと思った。
そして目の前に置かれたSCM。600万っていう異常な金額もそうだけど、とある夫婦の怨念がこもったいわく付きに感じた。
「知らね……けど」
「けど?」