0021 千代田 マリヤ (60/85)
キヨゼロの話から、ぼくは妙に感情移入してしまった。けど。
「その600万のSCMが その2つなんでしょ?」
「そそそ」
机の上に置かれた2つの金具は、いびつな月型だった。既に歯は取り除いてある。
「さっき奪ってきたって言ってたけど それ本当?」
「ああ やっと見つけたのはいいけど 2ついっぺんに反応が現れて焦ったよ」
「何で?」
「2ついっぺんに現れるってことは 勝負が始まりそうってことなんだよ」
ああ、なるほど。
「それで どうやって奪ったの?」
「とりあえず家に乱入して旦那の方をぶん殴った」
多分、その時にSCMが歯を持っていたんだろうと簡単に想像できた。けど敢えてそこは聞かなかった。
「そしたら泣きながら身の上話始めてさあ」
それでこんなに詳しいんだ。
「勝負は?SCMって勝負が必要なんでしょ?どんな勝負をしようとしてたの?」
「嘘を付いたら負けって勝負だった」
嘘を付いたら負け?
その話になった途端、キヨゼロはカッカッと引き笑いだした。
「マジウケたんだけど おれが乱入した時 2人とも裸だったんだよ!」
「え?なんで?」