0021 千代田 マリヤ (32/85)

同じことをゼロくん本人が言っていた。


「ね 本気で言ってるの?」


息子の心で生まれ変わった母親の意識。


それもだけど、更に奴隷が作れる機械だよ。


言っている人もおかしいとしか思えないけど、信じる方がもっとおかしいでしょ。


「おれはいつでも本気だ」


ソファにもたれ、髪がかかった顔を向けるキヨゼロ。


髪にまぎれた男らしい瞳と頬のラインが、たまらなくセクシーと感じた。けど。


「信じろっていうの?」


夏に降る雪のように、信じられない話ばかりを。


「お前 おれの事が好きだったろ」


「え?」


「おれが生きてた頃 一緒に働いていた時 おれの事が好きだったろ」


「何言ってるの先輩 女の子同士なのにそんな訳……」


「おれのバッグを荒らしたろ!そんでもってリップクリームを盗んだ!」


江東先輩の言葉に背筋が凍る。


言われるまで忘れていた、当時の行動。暗黒の衝動。


魔が差しただけだった。


ただ無性に、彼女が触れたものが欲しかった。


彼女の何かが欲しかっただけなの。誰にでもあるでしょ?