0021 千代田 マリヤ (27/85)
彼はそう言って、大きく地団駄を踏んだ。土足で。
「キヨ先輩 落ち着いて 17年前 何があったの?」
「くそ!くそ!時間が無いのに!」
また前の繰り返し。そうはいかない。
酔っていたぼくの思考は、普段思い付きもしない行動をさせた。
ぼくは彼の肩を掴み、背伸びをして唇を重ねたの。
プニュッて、生暖かくて柔らかいものがぼくの唇に当たる。
彼にもきっと、酒臭くて冷たいヴァニラ味が当たっているはず。
んん、ロマンチック。
「っにすんだよ!」
直後にぼくを突き放して、手の甲で唇を拭かれた。
「…落ち着いた?」
「はあはあ マリヤ 何を企んでる!」
「ね 先輩 ぼくも混乱しているの」
大好きな先輩が20年ぶりに自分を尋ねてきた。男の姿で。
そして息子を探してくれと、この身体は双子の片割れのものだと。
まずは何があったか話してくれないと。
「そしたらぼくも きっと先輩の役に立てるから ね?」