0021 千代田 マリヤ (25/85)
ぼくとゼロくんは携帯番号を交換し、この日は別れた。
帰り、原付に乗っている間、ぼくは興奮を抑えきれずにいた。
どう表現したらいいんだろう?この腹の下の黒くて重い欲望が、心臓を圧迫させる様な感覚。でも心地いいの。
ずっと欲しかったものが手に入りそうなの。
そんな喜びと、人間を丸ごと操れるかもしれないという背徳感。
ただ確実に言えるのは、チャンスは今。ぼくにとってのチャンスは今なの。
今までのCO2みたいな人生で、大きな楽しみを掴むチャンス。
「うぷ うぷぷ」
家に帰り、またヴァニラとビールで晩酌をする中、ぼくは堪えきれない喜びを漏らした。
カウンセラーと銘打って、彼を自由に出きる。ストレス解消とかうまく誘ってデートしてもいいよね。
部屋着で分かる。ゼロくん、かなりオシャレだわ。
ああいう男の子と一緒に街を歩くの、夢だったの。うまくいけば処女も捨てられる。
「んふう」
ヴァニラを頬張り鼻から吐息。
プピイと、お尻からひまわり色の風が吹く。
直後、スライドの開く音。窓の。庭の。
え?
「どういうつもりだ!」
突然の怒鳴り声に心臓が縮まった。