0021 千代田 マリヤ (13/85)
点けっぱなしのテレビ。ただそこにいてくれればいい。
パパの自慢だったソファーで、ぼくは体育座りをしてアイスを頬張る。
そして昨晩の出来事を思い出していた。
彼は確かに言った。
おれと同じ顔の双子の片割れを探してくれ、と。
首筋からヒンヤリしたアルコールが登ってくる感覚。
仮に彼の言っている事が真実なら。
本当に江東先輩で、あの体が彼女の息子のものだとして。
江東先輩に子供がいた事、2人もいた事、初めて知った。
双子の兄を探すって、どうしたらいいの?
興信所?警察?街で見かける探偵と書かれたビラが浮かぶ。
どれもパッとしない。
だって仮にも、彼…彼女は時間の無い中、真っ先にぼくの所へ来たんですもの。
そしてぼくに探して欲しいという事は、本人にも居場所が分からないという事でしょう。
十数年振りのぼくを頼った。つまり他に頼れる人はいない。