0021 千代田 マリヤ (12/85)

疑って踊れ、ぼくの手の中で。ぼくの知らないどこかで。


嘘を付く瞬間だけ、相手はぼくを見るの。


嘘の瞬間だけ、ぼくは存在する。


嘘の中で生きる本当のぼく。


この快感は辞めたくても辞められない。


今日も仕事が終わって、帰宅した。


両親が残してくれたのはこの古ぼけたマンション。その中の静かな一室だけ。


冷蔵庫の中には大好きなビールとアイス。


取り出したぼくの癒し。我慢し切れずに立ったまま頬張り、炭酸を含む。


「んふぅ」


思わず鼻から吐息。幸せ。


口の中は甘いヴァニラと苦い炭酸。たまらないこのセッション。


アイスを肴に酒を飲むのがぼくの安らぎの時間だった。