0021 千代田 マリヤ (14/85)
下腹部でトクンと、僅かな興奮。江東先輩がぼくだけを頼った。
それって彼女の拠り所はぼくだけという事。
それにしても、あの人はどうして、そこまで子供の片割れにこだわるの?
会いたい。ただそれだけかな。
そんな疑問の中、ぼくは缶ビール片手にノートパソコンを開けていた。
ネットでシンノスケという名を検索してみる。
手がかりは顔と名前。
名字は…江東?
結婚をしたとは聞いていない。
それらしき人はいたけど、名字なんて覚えていない。
こうとうしんのすけ。
しっくり来ない気持ちのまま、パソコンに問題の名前を入力する。
ヒットしたサイトを覗いていくけど、やっぱり彼に届く手がかりは無い。
酔いが冷めそうになる度に冷蔵庫からビールを持ち出し、その移動の間に思考する。フリをする。
酔った頭じゃ分かりっこない。
ヴァニラが溶けた頃には、画面は文字の羅列で止まっていた。手詰まり。
手がかりが少な過ぎる。