0021 千代田 マリヤ (10/85)
ジュリアはこの店のNo.1。
サチがジュリアの事が嫌いなのは、店に関わっている従業員なら誰でも知っている。
ぼくもNo.1には時々着いていたけど、確かに最近見なくなった。
「やっぱ辞めたって本当かいね 何か知らん?」
その言葉で、ぼくの中にピンク色の針が浮かぶ。
ピンってそそり立つ、刺激の閃き。
「…そう言えばね これ内緒なんだけど ね」
強気な眼差しが、鏡越しのぼくに注目する。
そうこの瞬間。ぼくが存在するこの瞬間。
「彼女 代表と寝たって 言ってた」
嘘。嘘を付く瞬間。
「はあ?嘘やろ」
「ね けどジュリアさんね 悩んでぼくだけに打ち明けてくれたみたい」
酔った勢いで代表と寝ちゃった。どうしよう。すごい言い寄られてる。って。
ぼくの言葉に、サチの顔が見る見る青冷める。