0021 千代田 マリヤ (7/85)
それから悪い癖が付いて、新しい店に勤めても1年続くことは無かった。
そして悪循環も繰り返された。
そんなことを繰り返すうちに、いつの間にか30代になっていた。
ぼくみたいな年増の不細工は、資格に頼った仕事をするしかなかった。
一時期は経済苦から、身体を売る仕事なんて考えなかったの反対。
けど単純に怖いのはもちろん、自分みたいな女が働ける訳ないとも思った。
ね。惨めだった。
そうやってぼくはこの社会の隙間でひっそりと、でも今にも弾けそうな何かを抱え、生きていた。
昔に戻りたい。こどもに戻りたい。
楽しかったあの頃。両親も生きていたあの頃。
今の家に、たくさんの人の笑顔があったあの頃。
憧れの、あの人がいたあの頃。
もう20年近く前、ぼくは江東先輩と出会った。
彼女はバイト先の先輩だったんだ。