0021 千代田 マリヤ (4/85)
突然の出来事に、ぼくの鼓動は未だに低音を鳴らしていた。
薬、薬飲まなきゃ…。
そう思いながらも、閉じた扉に立ち尽くす。
自分を探してくれ?
同じ顔の双子を探せって。
普通に考えたら、単なる説教強盗まがい。
けど、彼は信じられない言葉を残した。
キヨ。
四季を反対にした、ぼくが忘れられないあの人の名を。
あの人は17年前に…。
イタズラ。そうに決まっているよ、ね。
絶対にそう。もしかしたらの反対。
関わるだけ無駄。悪質で手の込んだイタズラ。
そう自分に言い聞かせ、薬を飲む。
ベッドに潜り込んで、その夜は眠ろうとした。けど。
ずっとぼくの頭から離れないの。
言葉はもちろん、彼の一挙一動、呼吸。匂い。
胸をえぐる様に、ぼくの心を忙しくさせる。
ただひたすらに、答えの無い疑問を膨らませて。その日はいつの間にか眠った。