0021 千代田 マリヤ (3/85)

彼はそう言って、自身の前髪を上げた。


太い眉に、微妙に垂れた瞳。まつ毛が長い。


高めの鼻、えくぼのできやすい広い唇。


感じる面影、あの人の。


「あの ね?えっと」


「この身体は品川ゼロ!おれの息子だ!けど 今は双子のもう1人を探さないといけないんだよ!」


身体?双子?


「意味が分からなくていい!まだここに住んでいてくれて良かった!時間が無い!意識がおれになったら また来るから!探してくれ!頼むから!」


「ちょっと!」


早く行けの反対。



「名前はシンノスケ!こいつの生き別れの兄貴だから!」



嵐の様に彼はそう言い残し、走り去った。



混乱。まるでゴクゴクと焼酎を飲み干し、頭を回転させなかったかのような反対。



うす汚え都会の片隅で、精神の惨めを感じながら生きていた平凡じゃないぼくの人生の反対。



このクソッたれな東京で、一匹のライオンを探す。



そんなぼくの物語とは反逆。