0020 板橋 ゲッコウ (79/82)

人のものになるとは、どうしてこうも安心するのだろうか。


マリア様のもの。我にはマリア様のご加護が。


「最後の命令だよ」


「はい!?」


最後の命令という言葉に緊張感が走る。


「これからゲッコウの高校にゼロという人が向かう」


ゼロ?


「彼に会って そしてSCMを着け 勝負を行い──」


我はポケットの中のそれを握る。



「──負けなさい」



意味が分からなかった。


それはつまり、マリア様以外の者の奴隷になるという事だろ!?


「…何故ですかマリア様!何故 俺は…我は!」


「いいから 言う事を聞いて 口裏を合わせて」


声に感情がこもっている。まるで我が子をしかるような。


「わ 分かりました」


任務に徹しろゲッコウ。疑問を抱くな。


我の中で作り上げられたマリア様の声が、心に響く。