0020 板橋 ゲッコウ (78/82)
朝。起きてもあの返事は無かった。
寝すぎた憂鬱感が、昨晩の疑問たちを掻き消していた。
早起きのお陰で朝風呂へ入り、我は学校へ行く。
制服を着ながら学校に行きたくない葛藤にかられ、ノロノロと行動した結果、遅刻だ。
行く事にしたのは、JKの消息を探る余地を作る為。
テンションは上がらないが、まだ我を突き動かすものは僅かにあるようだ。
高校まであと数分で着くところで、我の携帯が震えた。
ディスプレイにはマリア様の名。
「はっ はい!」
道路沿いの歩道を歩く中、周りに人がいない事を確認し、我は携帯を開いた。
「おはよう ぼくのゲッコウ」
電話に出た直後、マリア様はそう言った。
オハヨウ、ボクノゲッコウ。
「ああっ!」
その言葉に我は無常の喜びを感じる。我はマリア様の所有物。
朝!光!青空!雲!
我の後ろにはマリア様がいる。我の行動の全てはマリア様の為。
我の全てはマリア様によって正当化されているのだ。