0020 板橋 ゲッコウ (76/82)

「だっ 誰ですか?」


「それは まだ秘密」


秘密。我とマリア様は深遠たる絆で結ばれているのでは無いのですか。


「とりあえず また連絡するから」


電話を切られる!


「あの 我は!俺は どうしたら…」


「言ったでしょ また連絡するから ね?」


「あっ」


電話を切られた。


それから、我は家に帰る事にした。それ以外に道は無いから。


自分の部屋へ戻り、カバンを床に捨て、制服も脱がずにベッドに潜り込む。


そして今日の事を思い返していた。


JKを監視し、彼女がさらわれた現場を目撃した。


それをマリア様に報告したら、何やってたのだって。


甲高いJKの声が耳から離れない。ヒィって、まるでメスの猿の様な。


我は正義でいたはずだ。


リュウオウは悪のはずだ。


マリア様こそ絶対のはずだ。


なのに、どうしてこうも心がざわめく。


重くゆらめきたゆとう。