0020 板橋 ゲッコウ (62/82)
家を出る時は母親に泣かれ、学校に行けば真っ先に教師の呼び出し、説教を食らう。
今朝の相手はツバキと学年主任、教頭に当たるハゲだった。
聞き流すだけなら慣れたものだが「悩みがあるんだろ?」「僕は味方だよ」というフレーズ。これが最も面倒くさい。
そう聞かれて、悩みを打ち明ける者がいるのか?
そして、それ以上に。ツバキ、貴様はどの口で「ゲッコウくんを常に心配している」なんて言ってる。
フジコと舌を絡めた、その口で、心を配るだと?
我にとって教師は、背景。極端に言えばロボットだと思っていた。
無機質というか、生活感の無い、ただひたすらに学校で生徒へ勉強を教えるだけの存在と。
だが、貴様のお陰で知ったよ。教師も人間だってな。舌を絡め、性欲のある、人間だってな。
直後、熱弁に興奮したツバキが、我の手を握って来た。
「触るな!」
咄嗟に、その手を振り払う。
2人の教師は呆気に取られていたが、直後に我が「親から虐待を受けているのでは」という話をしだした。
バカを引き取るドラフトがあれば、2トップ指名のバカ共が。
違うとだけ返し、卓の下でツバキに触られた手を拭く。
汚らわしい。