0020 板橋 ゲッコウ (53/82)
「あら 誉めただけじゃないの」
汚い手。汚い鼻。下品を行った身体で、我に近付くな。
そうぶちまけてしまいそうになるのを、グッと堪える。
「ゲッコウくんて どういう漢字?」
「月の虹だ」
「へえ 光じゃないのね」
フジコと名乗った保健医は不敵に微笑む。
「伝説のルナ・レインボウね」
そうLRだ。うむ、LRか。なかなかカッコイイな。気に入ったぞ。
だが、我の目的は、このフジコとかいう女の後ろにある、リストだ。
「ねえ 話してくれないと何も分からないわよ?」
何とかして、この女とリストを引き離さなければ。
ようし。少々強引だが…。
「ひ」
「え?」
「ヒャッハー!」
我は突然、そんなエキセントリックな奇声を上げた。
そしてカーディガウンごと、ワイシャツを脱ぎ始めたのだ。
「ちょっと!」