0020 板橋 ゲッコウ (52/82)
「どうしたのかしら?」
しかし、その女の顔を見て我の中に怒りが注ぎ込まれる。
さっきまで、下劣な接吻をしていたメスが。
今更教師面して、気安く我に話しかけるな。
「もしかして前任の保健医さんが目当てだったかしら?ごめんなさいね 午前中で帰ってしまったのよ」
怖くない。怖くないぞ、貴様なんて。
「私は新任の台東フジコ 早速ね フジコ先生って呼ばれるようになったの 嬉しかったわあ」
見た目は良くないが、他の教師共とは何か違うな。
ふむ、本来だったら嫌いでは無い。だが今は事情が違う。
「ふん」
しかし、困った。勢いで保健室まで来たものの、何も考えていなかったのだ。
手離せ、早く、リストを。
我が塞ぎ込んで、いかにしてリストを奪うか考えていると、台東フジコは書類を置いて、我に近付いて来た。
「キレイな銀ね どこで染めたの?」
我の頭に手を掲げようとするが、一歩引く。
「触るな」