0020 板橋 ゲッコウ (51/82)

我のポケットに入っているSCM。


マリア様も、これを買ったのだ。


厳密にはどういう経緯かは分からない。買ったのかさえ疑問だが、もしかしたらあのリストに、マリア様の名前や住所も書かれているかもしれない。


再び心拍数が上がる。


このままでは、マリア様が危ないのでは。


あのリストを、台東から奪えないだろうか。


そうだ、そうすれば、きっとマリア様は喜ぶ。


我はメールを送るのを止め、再び立ち上がった。


あのリスト、まだ机の上にあれば。


盗めるかもしれない。


「あら?どうしたの?」


気付いた時には、保健室の扉を開けていた。


「さっ 3年B組 板橋ゲッコウだ」


緊張で、視界のほとんどが後には覚えていないであろう感覚。


我はただ、机を見た。机の上には、リストが。


無い。


リストは保健医が持っている!今!


我が保健室に入った瞬間まで、こいつはリストを読んでいたのだ。