0020 板橋 ゲッコウ (50/82)

我はすぐにその場から離れ、食堂の方へ向かった。


券売機の陰に隠れた頃、保健室から出て来るツバキの姿が見えた。


奴はハンカチで自身の口元を拭いている。台東の口紅を拭いているのか。


あの様子なら、我の存在はバレていないな。ホッと胸を撫で下ろしながらも、奴を凝視した。


ツバキはそのまま、職員室の方へ歩き出す。


よし。あっちへ行ったな。


ツバキの姿が見えなくなるのを確認すると、我は握っていた携帯で、メールを打つ。


忘れる前に、ありのままをマリア様に報告しなければ。


・新任の女保健医と世田谷ツバキ、この2人がSCM所有者。

・世田谷ツバキはSCMを作った張本人で、購入者のリストを保健医の台東に渡していた。

・そして、世田谷ツバキは奴隷の者なら無条件に、自分の奴隷に引き込める。


・何か携帯の様な機械で操作すると、それが出来る。


滅茶苦茶な文脈かも知れないが、その内容をマリア様に送ろうとする。


待てよ?


文章を直しながら、少し冷静になった頭で気付いた。


そうだ、購入者のリスト。