0020 板橋 ゲッコウ (46/82)
思わず深呼吸をする。息をするのも忘れていた。
台東の様子は、演技や茶番を感じさせない苦しみを感じる。
彼女はしばらくその場に項垂れ、えづいていたが、やがて顔を上げた。髪で半面が隠れている。
「はあっ ああ 勝負を強制的に開始させて 無理矢理負けさせるのね」
台東の言葉に、何か重要なものを感じた。いや、我にも分かる。
「反則じゃない はあっ そんなの」
もう、我にも分かるぞ。ツバキンは、恐らく無条件で所有者を奴隷に出来るのだ。
「はい もうリュウオウの縛りは消え 僕の奴隷になりました」
こんなに。こんなにあっさりなのか、SCMは。
「そう みたいね でもこれって奴隷の人にしか適用できないんでしょう?」
「はい Mモードの人間にしか適用できません」
「どうして かしら」
台東の疑問に、ツバキンは何も言わない。