0020 板橋 ゲッコウ (45/82)
そして彼女の手から奪ったSCMをその中に入れる。
「うっ おえ」
台東はえずき、ツバキンの手を握っている。奴は更に親指で、彼女の上あごを押し上げていた。
我の位置から見ると、まるで首を絞めているようにも見える。
「すぐ終わります」
ツバキンは直後に、更に懐から取り出した携帯を操作した。厳密には携帯の様に見える端末と言うか、テレビのリモコンにも見える。
「あっ え?」
瞬間、台東の顔が凍り付き、抵抗を止めた。自身の頬を触り、口の中のSCMを確認している様子だった。
「開始音が鳴った?勝負は開始されてないのに どういう事なの」
「これが僕の特権 ジャッジメント機能です」
鳴った?ジャッジメント機能?何の事だ?
「そして 」
ツバキが更に携帯を操作すると。
「あっ?おっ え?」
台東が嗚咽を吐き、その場に崩れた。
何だ。一体何が起きている。
「勝負は開始され あなたは負けました」
意味が分からん。だが、彼女が手の平で自分の唇を拭くと、蛍光灯に照らされた唾液がキラキラと光っていた。