0020 板橋 ゲッコウ (38/82)

「ぬっほ!」


振り向いた先にスーツとメガネの男。我に声をかけたのは、教師だったのだ。


「久しぶりの登校 僕は嬉しいんだけれど 二限目が終わったら 職員室においで」


メガネを掛けたワキガ。ツバキンと言われる教師だ。今回もこいつが担任だったのか。


結局、職員室に赴き、説教された。


「その髪 キレイだけど明日から直して来てね」


一言そう言えばいいのに、ツバキンの説教はダラダラ長い。それに何度も話が反れる。簡潔にまとめろ。


それに直すか馬鹿者。お前も生徒と変わらない、愚民が。


我のマリア様に抱く崇高な想いと絆、そして、世に対する憂い、目的。


それらに比べれば、目に見える全ては遥かに下らん。ミクロの世界だ。


見ていろ。我はこんなものでは無いぞ。


やがて、皆が我に平伏し、「ごめんなさい月虹様」と土下座させてやる。


我こそは王者なのだ。


「それじゃ よろしくね板橋くん」


思考の矢先、説教が終わっていた。その後、職員室から解放された我は、普通に授業を受ける事となった。


英語の教科書をペラペラとめくり、黒板に書かれた英文を眺める。


I don't have any friends.
(わたしには1人も友達がいません)