0020 板橋 ゲッコウ (26/82)

「このSCMを巡った戦い それに翻弄され不幸になっていく人々がいるの」


戸惑った矢先、マリアの言葉が再度、我の心に突き刺さる。


不幸に、なっていく人々。


「誰かが 正義の誰かが 救わなきゃ ね?」


正義の誰か。正義の我が。


待っていた。


「ゲッコウくん ぼくと一緒に みんなを助けよ?ね?」


待っていた!待っていたのだ、こういうの!


「ああ!」


マリアが話している事は正直サッパリ分からん。だが、実際に虐げられた人間がいるのは感じた。


マリアはそれらを救おうとしているのだ!


「やってくれるよ ね?」


「もちろんだ!我は弱者を守る月の虹!我こそ正義のゲッコウ也(なり)!」


身を乗り出していたマリアが、背もたれに体重をかけ、肩を撫で下ろす。


「やっぱり ぼくの見込んだ通りだね」


「だがどうやって 悪を挫(くじ)くのだ?」


「情報を掴んだの」


周りを伺い、再び声のボリュームを下げるマリアに、緊張を感じた。