0020 板橋 ゲッコウ (24/82)

「知ってるの!?」


「いっ いや 名前だけな しかし 人違いかも知れん」


我は慌ててそう付け加えた。


「そう とにかく リュウオウの参謀である中央アタル 彼がかなり厄介」


「ふむ」


奴とは何度も死闘を繰り広げた。と言いそうになったが、瞬殺でバレる嘘なのでぐっと堪える。


「用意周到で抜け目が無いらしいし 冷静沈着で独特の魅力もあるのね」


魅力?相変わらずだが、マリアの発言は我の想像を小さく裏切り続ける。


「ぼくも写真でしか見た事は無いけど 悔しいくらいカッコイイの」


「え?そっ そうなのか」


カッコイイ。マリアにそう言わせる、中央という男に一瞬で嫉妬する。何者だ、その中央とかいう男は。


「スーツを着た眼鏡で ぼくと同じ年くらい ライターの石を鳴らすのが癖」


マリアの話で中央という男を想像する。ちょい悪なサラリーマン。いや、もしかしたらホストや地上げ風の悪漢かも。


様々な中央アタルが我の想像上で浮かび、悪そうな微笑みで我を挑発してきた。


「それにね?それにね?社長なんだって!」