0020 板橋 ゲッコウ (22/82)

「そっか 着けて みる?」


おお?今着けられる物なのか?いや、歯並びには自信があるしな。我は意味深に窓の先の暗い夜を見つめる。


「今日は 夜も遅いし 止めておこうと思うんだが」


「ああ そう」


夜も遅いって何だ。自分でも訳の分からない言い訳だったが、なんとか切り抜けた。一体何を切り抜けたのかさえ疑問だ。


「あのね 今SCMを巡った戦いが激化してるの」


「は?」


戦い?マリアは再度、我の予想だにしない発言を放った。


「SCMを知っているなら それも予想できたよ ね?」


「うむ 確かにっ な」


「でもネットで話題になっている事以上に 実際はドロドロしてる 今分かっているだけでも18人以上の所有者がいるのね」


18人?この器具を持った者が18人いるのか。何となく少ない気もするが、それが普通なのか?


「その中でも最大級の悪の派閥をゲッコウくんは知ってる?さすがにそれは 知らないよね?」


我は敢えて何も言わずに沈黙を守った。こういう時は下手に発言するよりも、黙っていた方が得策だと思ったからだ。


「チーム リュウオウ」


マリアは煙を吐きながら、窓の外を見て、そう言った。