0020 板橋 ゲッコウ (17/82)

「あいつ本当仕事できねえ マジ気分悪いんだけど」


突然マリアがそう言ったかと思うと、再び店員を呼ぶ。


店員が水を忘れていたらしい。忠告すると、我と同じ年くらいの店員は頭を下げ、水を持って来た。


「ちげーっって!氷無しって言ったよね!?ねぇ!?」


しかし、氷入りの水を持って来た店員に、とうとうマリアが怒鳴り、店内は騒然としていた。


正直、呆気に取られてはいたが、我は更にマリアへ憧れた。


何と、堂々とした立ち振る舞い。そう、仕事が出来ない店員こそ悪いのだ。


マリアは女神なのだ。


マリアに鯖を出してはいけない。パセリは抜かなければいけない。水に氷を入れてはいけない。


それがルール、否、法律なのだ。


やがて来た料理たち。ビーフシチューのオムライスに、ステーキセット、から揚げにポテトにイカゲソも。


更には、ミートソースのスパゲッティーと4人前のシュリンプサラダまで来た。


「ぼくね たくさんの料理が並ぶと幸せな気分になるの」