0020 板橋 ゲッコウ (16/82)

席に座り、メニューを見ていると、彼女はブツブツと何かを言い始め、突然店員を呼ぶ。


「ねえ これって鯖(さば)?」


マリアはメニューを指し、店員へ料理に含まれている材料の詳細を聞き始めたのだ。


アルバイトであろう店員は、対応に慣れない様子だった。厨房へ戻り、確認しようとする。


「あっ 待って これも パセリ使ってる?使ってるなら抜いて あと水に氷は入れないで 代えて これ」


マリアは更に注文を言うと、出された水を店員へ突き返す。


「アレルギーなの ね?分かるでしょ?」


マリアは首を傾げ、我を見た。よく見れば、マリアは垂れ目だと分かる。


アレルギーか、なら仕方無いと納得した。


再び戻って来た店員は、先ほどの料理に白身魚は含まれていないと言って来た。


「じゃあこれ それにこれとこれとこれ あとこれも いいや ご飯も大盛りで」


マリアが注文した料理の数は異常な量だった。何て健康的なのだ。


「このキャラメルケーキとティラミスパフェ それとマンゴーシャーベットは食後ね」


金は少し持って来ていたので、紳士としておごろうと思っていたが、既に足りない。


我はコーヒーのみを頼み、マリアの注文から店員もやっと解放された。