0019 練馬 ヨシムネ (62/63)

「ぐっ おお!」



中の金は全て本物だった!



この小娘!燃やしたのか!



勝つ為に500万を!何て単純で豪胆な真似を思い付く!



それにバッグの内側は耐火性の強い銀色の素材。火炎をギリギリまでワシに気付かせない為。



視界の外れでユウガが笑っている。奴は始めからワシに捕まるのを見越していたのか。



あからさまな偽の契約書に注目させ、札の方への注意を減らした。それは掻い潜った!



だが、バッグが燃えるなんて誰が勘ぐる!



「よって 500万円は引かれます」



560万引く500万…。



ワシの稼いだ金額は60万と少しに激減する。



エイアが稼いだのは200万。



「っざけんなし!こんなの!おかしいだろ!」


「いや…」


喚くミナミを止める。


無理だ。500万を燃やすなんて真似、絶頂期の若かりしワシにも出来ない。


時計を見れば時間はちょうど1時間。


結果は明白。ワシに500万は無いのだ。


どうあがいても、どこを探しても。


ルールに基づく金はどっこにも無い。



認めよう。



ワシの負け。



「あ があっ」



『 カチッ カチカチ 』