0019 練馬 ヨシムネ (61/63)
彼女の言葉を理解する前にワシはバッグを見た。まさか。
「あ は?」
燃えている。
バッグが。金が。
「おいおいおいおい!水!水!」
ミナミが慌てて洗面台の方へ向かう中、ワシは煙を上げるバッグを掃(はら)い、床へ叩き付けた。
そして何度も踏み付ける。
直後、ペットボトルに入れたわずかな水をミナミが持って来た。
煙を吐くバッグに水をかけると、やっと鎮火した。
「何をした!?」
ワシはまだ熱を持ったバッグを開ける。
「何もしてませんよ」
エイアは静かにそう返した。
バッグの中の万札は見事に黒焦と灰になっていた。全て。
「どこにあるんですか?500万」