0019 練馬 ヨシムネ (52/63)
ミナミはエイアの言葉を呆れた様子で、ただ聞いていた。
運がいいだけで、ミナミが引いた分も含め、5回連続自身のクジを引いただと?
これは幸運ではない。
業運。
ワシの脳裏が導き出した言葉はそれだった。
「ふざけんなし!」
「とりあえず勝負しません?」
エイアはSCMを取り出し、装着した。
『 ュイ──ン 』
ワシの動揺とはよそに、振動が唇の痛みを思い出させる。
勝負はエイアが提案した、金をより多く稼いだ者の勝ちというもの。
ハッキリ言って、金に関して負ける気はせん。
だが提案してきたエイアに、何の策も無い訳が無い。そして、懸念しても賽はすでに投げられた。
「勝負は 0円からスタートし 1時間以内によりお金を稼いだ者の勝ち」
エイアの声の中、部屋の時計を見ると、時間はちょうど昼の3時を回っていた。
「2対1で結構です」
ワシとミナミに対し、エイアは1人か。
「分かった」
『 カチッ 』
ワシが承諾した瞬間、今日2度目の開始音が鳴った。