0019 練馬 ヨシムネ (50/63)
「はい あとこれも三重に着けて下さい」
エイアはそう言うと、自身のポケットからビニールの手袋を数枚取り出した。
「なんでそんなもん 持ってんだよ」
「ズシの 犬の散歩用です」
なるほど。これで、クジの目印作戦は封じられた。
この子にはちょっとやそっとのイカサマなんて、効きそうにないわね。
ミナミは渋々と手袋を三重に着けると、くじ引きの中へその手を突っ込む。
「公平にするんでしょ?」
エイアの言葉と同時に、引いたクジを開けるミナミ。
「っけねー」
様子で分かった。ミナミが引いたクジはエイアのもの。
「勝負は 0円からスタートし よりお金を稼いだ方が勝ち ?」
ミナミは勝負内容を棒読みで読み上げた。
0円からスタートし、よりお金を稼いだ方が勝ち。
聞き慣れない言葉の羅列だが、理解はすぐにできた。
「単純だな おい」
「そのままですが 所持金0円から外へ出てスタートし 1時間以内によりお金を持ってきた方が勝ちというものです」
エイアはクジ引きの中に手を突っ込み、クジを引く。
「練馬さんは どんな勝負だったんですか?」
興味本意か、彼女は引いたクジを開きながらワシへそう聞いてきた。引いたクジが自分のクジだったのか、エイアはポイっと紙を卓の上に投げ捨てる。
「ワシは 」
応えようとした矢先、エイアの異常さに気付いた。