0018 北 ミナミ (62/67)

ガタッ!ガチャッ!


「うああああ!」


あーしがイスを持ち上げて投げようとした瞬間。


「止めてミナミ!」


逆上したあーしに、声。


アンジュの声で、あーしの頭ん中が真っ白になった。


「フジコは そうやって相手の事をおちょくるのがうまいの 挑発に乗らないで 時間が無いの」


アンジュは苦しそうにそう言った。


足の包帯に、血が滲んでる。日の丸みたいに。


あーしは納得できないままだけど、イスを下ろす。


「血の気が無い分 冷静ね」


フジコはイスに深く座り、時計を見た。


「残念 あと少しで 授業が終わるのに」


アンジュもあーしもMモード。


ツバキが来たら一巻の終わりだった。


こいつ、時間稼ぎの為に。


「ミナミ アンジュを連れてって」


アンジュにそう言われて、あーしは黙って保健室からアンジュを連れ出す。


つうか、どこに行けばいいんだよ。救急車乗ろうよ。


早くしないと死んじゃうじゃねーかよ。