0018 北 ミナミ (59/67)
氷みたいに冷たい目。
「勝負をするなと命令されているのなら 無理矢理でもさせる方法もある」
こいつ、あーしと強制勝負する気だ。命に関わる程脅せば、勝負できるけど、そんなのごめんだし。第一、あーしは勝負禁止命令はされてない。
何なんだよ、どいつもこいつも。
「リュウオウ側へ行くなら この瞬間から容赦しないわよ?」
「あ ぐ」
どうする!?
アンジュ達を裏切るのは楽だけど、腹ん中の嫌悪感でスポドリ吐きそうだし。
分かってんだ。これがSCMの作用だけじゃねーって。
頭から、あーしに勝って泣きじゃくるアンジュの姿が離れねーんだし!
痛い痛いって!本当はただの弱虫女なのにさあ!
あいつ、必死で、必死で、リュウオウリュウオウって!妊娠してる癖に、自分が子供みたいに!
あーしの頭から離れねーんだよ!
あーし、アンジュを抱えてて、重いのに、ダルいのに、めんどくせーのに、思っちゃったんだ。
こいつ、嫌いじゃねーって。
「決めなさい」
フジコの声。グチャグチャの葛藤の中、あーしは胸ポケットのSCMを胸ごと握った。
どーすりゃいーんだし!?
「勝負 しないで」
後ろから、弱々しい女の声。