0018 北 ミナミ (54/67)

「いいから見ろし!」


フジコも立ち上がり、項垂れたアンジュを運んでくれた。


「ベッドに連れて行って」


フジコとあーしで、アンジュを慎重にベッドへ寝かせる。


アンジュの意識は完全に無かった。相変わらず体に力が無くて、ダランとしてるし。


けど、まだ暖かいし。多分生きてる。


フジコはアンジュの顔を触り、指でまぶたを開け、瞳孔を見た。


「酷いわね かなり衰弱してる 何ですぐに救急車呼ばなかったの?」


えっと。


「んなの分かってるし!けどおーごとにしたらマズイって思って!」


フジコは1度ベッドから離れ、包帯やガーゼと消毒液を持って来た。


そして、アンジュの足に巻いたタオルを解きながらあーしに言う。


「止血もキツ過ぎ 足が鬱血してるじゃない」


フジコの言う通り、アンジュの足は紫色になってた。


「無茶したわね あのマンションからでしょ?足の大静脈を傷付けて よくここまで来れたわね」


だいじょーみゃく。


アンジュの足の傷から、赤黒い血が見えた。あーしは思わず目を背ける。


「アンジュ そんなに酷いのか?」


「身体の中でも指折りで大きい 国道みたいな血管よ 」